こんなに、しびれるのかと驚くほどの副作用でした。
乳がんの抗がん剤治療の一つとして私が受けた、「アブラキサン」というお薬によって出た症状です。
これは、私が抗がん剤治療で最初に受けたAC療法に匹敵するほどの強力な副作用でした。
しびれは、アブラキサンの副作用で一番衝撃的なもので、そのしびれが私の日常生活にもたらした影響についてもお話しします。
■しびれの感覚はどのようなもの?
まず手足の指先(末端)からピリピリするような、ジンジンするような感覚が起こりました。
似た感覚としては、長時間の正座によって起こるしびれのような状態です。
手の指にしびれた感覚が起こったときには、物に触れたときに膜が張ったような、その物を直に触るというよりも何かを通して触っているような感じがして、チクチクした痛みすら感じたことがあります。
液体がしみます
台所仕事でお茶碗を洗っているときなどに、お湯を使ったりするとそんなに熱いわけでもないのにズキズキするような、ピリピリするような感覚になることも多かったです。
職場においても患者さんの採血や点滴を行う際に使う酒精綿と呼ばれるアルコールの消毒綿があるのですが、そのアルコール成分も指先に痛みを感じるためつらい仕事内容になりました。
症状が進むと、もっと指先の感覚がマヒしたようになったため、しばらく注射などのデリケートな仕事からは外れることになりました。
しびれという副作用から完全にもとに戻るまでしばらく時間がかかりました。
「アブラキサン」の点滴治療が終わっても、なかなかしびれという副作用は治りませんでしたので、生活の中でも不自由な思いをしました。
足のしびれは?
つま先から徐々に広がっていった感じでしょうか?
最初は
(歩くときにピリピリするなあ)
という程度の感覚で生活的に不便を感じませんでした。
ところが点滴の回数を重ねていくうちに、足首より下全体がしびれたようなって、足をひきずらないとつま先がうまく前に運べなくて歩くときに苦労しました。
勢いよく前に進もうとすると、足をうまくかわせずに転びそうで怖かったです。
文字通り「亀のようなのろい歩み」になってしまい、毎日の生活が不便だらけでした。
しびれに関節の痛みも重なって!
歩く度につま先のしびれによるチクチクした痛みと、膝の関節の痛み(これもどうやらアブラキサンの副作用みたいです。)が加わり、びっこをひきながらゆっくり歩く毎日が続きました。
傍から見れば「乳がん」の患者さんというよりは「足の不自由な」患者さんという感じだったと思います。
家族で出かけるときも、一緒に歩く主人や娘を何度も何度も立ち止まらせて、待ってもらいながら歩くようになってしまいました。
あまりに痛みがひどいときは(このまま車椅子の生活を送るようになってしまうのではないか)との不安がこみあげてきたものです。
しびれはどれくらい続くのか?
この抗がん剤治療を受けている患者さんそれぞれで副作用の出方や状態のひどさも個人差があるとは思います。
わたしの場合は4回のアブラキサン投与が終わってもしばらくはしびれの感覚はよくなりませんでした。
正確な日数は4年も前のことですので覚えていませんが、いつの間にかもとに戻ってましたので、お薬が終了すれば(いつかはもとに戻る)と安心していいのではないかと思います。
当たり前ですが、今はしびれなんてちっともありません。
普通に歩いたり走ったりしています。
しびれの特効薬ってあるの?
しびれに対するお薬は何種類かドクターに提案していただきました。
ビタミンB6、ビタミンB12、リリカ(神経障害疼痛治療薬)、漢方薬(牛車腎気丸)などです。
人によっては効くかたもあるのだとは思いましたが、私の感想は気休め程度の改善にしかなりませんでした。
結局、お薬の量を減らして投与してもらうとか、少しの間投与をお休みしてもらうとかが対策になるのでしょうか?
今は、一時的な対策として加圧ストッキングという足のしびれや血行不良で歩きにくい方をサポートしてくれる医療用のストッキングがあるようです。
生活に支障が出る副作用ですが、ついつい我慢することばかりにはしってしまいがちです。
でも、少しでも生活を普通によりよい状態で送れることのほうが治療にも前向きになれるのではないかと思います。
困ったときは、自己判断ではなく、ドクターに相談しながら副作用を乗り越えていってほしいと思います。
そうすれば抗がん剤治療も必要以上に恐れることなく受けていけるかもしれません。
あなたが「乳がん」の治療に向かう時は一人ではありません。
周囲にも見守り、応援してくれる人はたくさんいるはずです。
このアブラキサンの薬の副作用については、こちらの記事にも書いています。
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