頭痛の種類も、頭痛の起こる病気も様々です。
頭痛というのは、何だか脳に病気があるような気がして怖いですよね。
後頭部にいきなり強い痛みがあって、高い熱が出たら不安になってしまいます。
今回は、後頭部の痛みと高熱が出る病気についてお話しします。
目次
髄膜炎という病気について
「髄膜炎」って聞いたことありますか?
この病気も頭痛という症状が深く関わっています。
髄膜炎のことをお話しします。
髄膜って何?
髄膜というのは、脳を覆っている膜のことです。
外側から、硬膜・クモ膜・軟膜の3層で構成されています。
どんな病気なの?
その名の通り、髄膜に炎症が起きる病気のことです。
ウィルス、細菌、カビなどの微生物感染が原因で起こります。
がん細胞や寄生虫が引き起こすこともあります。
薬品が原因になることだってあります。
症状について(慢性と急性)
初期の症状は風邪に似ているんです。
喉の痛み、咳、鼻水などの症状が現れます。
慢性髄膜炎の場合、最初に症状が現れるまでに時間がかかります。
潜伏期間(病気の症状が出てくるまでの期間)が数週間もかかることがあります。
最初に出る症状が風邪の症状に似ているため、不調があっても、風邪や肩こりと間違えやすいです。
そのため、早い段階での発見が難しいこともあるのです。
では、急性髄膜炎の場合はどうでしょうか?
急性の場合は、最初の風邪症状に似た症状が出てから、24時間以内に症状が悪化してしまいます。
具体的には激しい頭痛、高熱、吐き気、嘔吐が現れます。
頭痛が続き、寒気がしたり、身体がだるくなります。
一番大きな特徴としては、首(うなじ)が硬直して(固まったかのように動かなくなり)痛みが出て、曲げることが辛いという「項部硬直」の症状が出てきます。
進行すると・・・
眠気が起こったり、激しく揺さぶっても目を覚まさないほどの昏睡状態に陥ります。
意識障害や痙攣、麻痺などが現れることもあるのです。
髄膜炎の種類は?
髄膜炎には種類があります。
無菌性髄膜炎
ウイルスが引き起こす髄膜炎です。
菌よりも小さなウィルスが蚊を媒体として感染を起こします。
免疫が落ちているときに感染しやすくなります。
重症化したり、後遺症が残ることが少ないです。
細菌性髄膜炎
細菌が引き起こす髄膜炎です。
風邪をひいている、体力や免疫力が落ちている、インフルエンザなどにかかっているときに感染しやすくなります。
原因になっている細菌を特定するまでに時間がかかります。
細菌の種類によっては、症状が急速に悪化して重症化してしまうことがあります。
最悪の場合は、死に至ることもあります。
後遺症としては、難聴や認知機能障害、脳神経障害などが残ってしまうことがあります。
対処法を知りたい
治療法は?
ほとんどの症状を病院へ入院した状態で行います。
髄膜炎が無菌性(ウィルス性)のものだと、細菌が原因でないため、抗生物質が効きません。
現れている一つ一つの症状を軽くする治療(対症療法)が点滴や、薬を飲むなどして行われます。
この場合は、症状がよくなるというよりも、安静にしている中で、病気を治療することで、1週間から2週間経つうちに、自然に良くなっていくのです。
細菌性の場合は、原因の細菌がわかるまでに時間がかかります。
細菌が特定されたら、抗生物質によって治療が行われます。
一刻も早い対処が望まれます。
早期発見できれば、死亡率も下がりますし、後遺症の残る確率も低くなります。
普段からできることは?
炎症を起こすのが、細菌だったりしますと、症状がどんどん悪くなっていって不安な思いをしてしまうことになります。
もし、気になる症状が出たら、一刻も早く病院を受診すべきですが、一番いいのは、髄膜炎にかからないことです。
予防方法がわかれば安心ですね。
細菌性髄膜炎
予防接種があります。
大人の場合に圧倒的に多いのが肺炎球菌による感染ですので、肺炎球菌ワクチンを接種することがおすすめです。
他にはインフルエンザのワクチンの接種も併用することで、症状が重症化するのを防げ、死亡率も下げることができます。
無菌性髄膜炎
ウィルスの種類は多いため、予防接種は有効な手段ではありません。
ですので、日頃の風邪予防と同じような考え方が必要です。
- 毎日の手洗い、うがい
- 食材にしっかり火を通す
- 日頃からの健康管理
- 十分な睡眠
などを意識して、免疫力を高め感染しないようにすることが大切です。
怖い病気ではありますが、普段からできることをやって、健康に気遣っていれば予防になります。
しかし、もしも頭痛(主に後頭部)、高熱、項部硬直の3大症状が起こったら、すぐに医療機関を受診するようにしてくださいね。
早い対処がカギです。
日頃の健康管理もしっかり意識していきましょうね。
あなたを悩ませる頭痛についてもっとしってほしい。
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