乳がん患者というのは、告知に始まり、手術、日常生活、治療、社会生活など、様々な場面でショックを受けては、克服してを繰り返します。
私も、数々のショックに不安を覚え、落ち込んで、そこから這い上がるということを繰り返してきました。
今回は、ショックを受けてもやがて、立ち直ることができる。
そんな人の強さというものを考えてみたいと思います。
■乳がんによる心の変化について
乳がんになってから何度もショックを受けて立ち直るということを繰り返してきました。
乳がんの告知
最初にしこりを発見して病院を受診しました。
次々と受ける検査に目まぐるしく対応しながら、検査結果を待つわけです。
この時点では不安いっぱいなので、最初のショックは大きいです。
そして告知。
予想はしていてもショックです。
気持ちが沈み、これからの不安に押しつぶされそうになります。
自分自身に言い聞かせたり家族の励ましを受けながら何とか一歩前に進もうとし、自分のおかれている状況に適応していきます。
手術後の乳房を見て
手術自体よりも、手術後に傷の入った自分の胸をみるときに、何とも言えない喪失感を味わいます。
このときのショックは、私のような温存術の患者さんと全摘出術の患者さんでは天と地ほどの差があると思います。
人によっては、髪が抜けることよりも、抗がん剤で気分が悪くなることよりも辛いと思われる方もいるかもしれません。
なぜなら、抗がん剤の治療が済めば、体調も回復してきますし、髪もまた生えてきます。
でも胸の傷はずっと残るものなのです。
女性の象徴のような乳房を失うことで、女性としても何か不完全になったような気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。
落ち込みながらも時間をかけて生活していく中で、自分自身を受け入れられるようになり、日常の生活にも適応していくのだと思います。
検査結果を聞いて
改めて、乳がんの確定診断を受けます。
そこで自分の乳がんのタイプを知ったり、治療法を聞いたりして、またもやショックを受けます。
まだ頭の中は混乱していて、ただ周りの流れに着いて行けず、あたふたするのが精いっぱいなのです。
ドクターから言われた治療内容においても、質問どころではありません。
「こういう治療をやります。」
と言われれば、はいとうなずき、
「いついつからスタートします。」
と言われれば、はいとうなずく。
その繰り返しでした。
ショックを受けたら次は不安だらけです。
ネットで情報を調べては悪い内容ばかりを頭にインプットして一人で落ち込み、暗くなりました。
またもや一歩前に踏み出すのに力を振り絞る必要が出てきます。
ここで家族や周囲が支えてくれることで、立ち直りの時期が早くなるかもしれません。
よく、励ましの言葉に「頑張ろう」とか「頑張って」とありますが、乳がんになった時点で自分ではいっぱいいっぱいです。
今の状況に適応しようと必死なのに(これ以上何を頑張れというの?)と悲観的になってしまう人もいるでしょう。
では、どういう対応をして欲しいかといいますと、
私の場合の話です。
「何か手伝えることあれば言ってくれ。」
という言葉は嬉しかったです。
その人その人で性格は違うと思いますが、どんなに明るい人でも、一時期は落ち込んだり、暗くなったり、不安でいっぱいになったりするだろうということです。
私も今でこそ、
(乳がんになったのが私でよかった)
(親妹弟や主人、子供たちが病気でなくてよかった)
と思えます。
しかし当時は、
(なんで私が乳がんなの?)
という思いしかなく、自分のことでいっぱいでした。
そういう思いを何とか自分で消化して、治療に向き合ってきました。
治療のつらさに打ちのめされる
次は、抗がん剤の副作用の辛さでショックを受けます。
吐き気・嘔吐はもちろん、脱毛も辛いものでした。
すべてが私にとっては生まれて初めて経験することでした。
楽しいこともなく、嬉しいこともなく、辛いこと、具合悪いこと、悲しいことが次々襲ってくるわけです。
負の感情だらけです。
これは凄い衝撃です。
明るかった性格もたたきつぶされて、どんどん暗くなっていきました。
人との交流も避けるようになり、そうすると内にこもってしまい、ますます暗く引っ込み思案になっていきました。
それでも人って強いものですね。
治療を重ねる中でその環境に少しずつ慣れていきます。
そうやってまた一つ一つ適応していけるのですね。
転移について
最後のショックは、一通りの治療が終わってからです。
早期の乳がんであれば、考えないことかもしれないのですが、私の場合は進行乳がんですので、「転移」についてはいつも考えてしまいます。
まだその時はきていませんが、このショックが本当の闘いだろうと思います。
今までのショックは、一度は落ち込み、不安に押しつぶされそうになりながらでも、いつしか適応して乗り越えてこれました。
しかし、この「転移」については唯一体験していないことがらです。
その時が来たら、私はどうするのでしょう?
落ち込み、不安に陥り、苦しむのかもしれません。
しかしその過酷な事実を受け入れて適応していける日がくるのかわかりません。
乳がんになることで、ショック(衝撃)を受け、一度は精神的ダメージに沈み込み、やがて這い上がって一歩前進する。
このことを繰り返しながら、今に至ります。
乳がんって、過酷な試練の連続ですね。
でも、乗り越えていきたいですね。
一緒に頑張っていきましょうね。
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はじめまして、
ブログ読ませて頂きました‼️
わたしのがんは、HER2でした。
まだちび2人います、残してしねません、落ち込みがひどいですが、だましだまし、日々過ごしています。
あきさん、はじめまして。
おるりと申します。
コメントありがとうございます。
お話しの内容から幼いお子様がいらっしゃるようですね。
そんな中の闘病生活、とてもお辛いだろうと思います。
私が最初に「乳がん」と告知されたときは、
2人の子供は高校生でした。
それでも、子供たちの動揺と子供の今後の未来に
自分がいてあげられるのか?
という不安はとても大きく、考えるだけで毎日
涙していた状態です。
あきさんは、HER2ということで、乳がんの中でも
進行が早いとよく聞きます。
しかし、HER2には分子標的薬という強い味方が
あります。
がんのステージも症状も人それぞれ違います。
私たちにできることは気持ちの部分だと思っています。
あきさんの、「残してしねません」の想いが、
一番の薬になるのではないかと思います。
ご自分のことでも色々と大変だと思うのですが、
周囲に頼れるところは頼って、生活できれば
少しはご負担も減るのでは?
と思わせて頂きました。
同じ母親として、子供の年齢は違えど、
成長を見守り続けていきたいという
気持ちはきっと同じだと思います。
何か辛いことやぐちなどあったら、
ためずに、ここででも吐き出してくださいね。
少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
一緒に乗り越えていきましょう。