残りの検査について書きます。
今回は、転移、再発が気になって受けた検査です。
通常では、あまり受ける機会がないものだと思います。
骨や脳への転移の際に行われる検査と、乳房のしこりの詳しい内容を調べるための検査についてお話ししますね。
■骨シンチ
あまり聞き慣れない検査だと思いますのでご説明します。
どういう検査?
乳がんの骨への転移を調べる検査です。
この検査は骨に限定した検査で、放射線治療を受けた病院に紹介してもらいました。
きっかけは、腰や背中の痛みがしばらく続いたことです。
骨への転移を疑って、レントゲンだけ撮ってもらいました。
その時は画像では異常はなく、痛み止めの処方で落ち着いたため様子を見ることになったのです。
痛みが引いたので安心して生活していましたが、それからまた、3か月ほどしてから再び背中に痛みが出てきたのです。
私の頭の中は「転移」の2文字がよぎりました。
「たびたび背中に痛みが出て気になるようなら、一度骨の詳しい検査を受けてみますか?」
とドクターに言っていただき、この検査を受けることになりました。
仕組みはPET-CTと少し似ています。
大きく違うのは使うお薬です。
PET-CTの場合は、がん細胞が好むブドウ糖に近い成分の薬を使うのに対して、骨シンチは骨の材料となるミネラルに近い成分のお薬を使います。
骨は、造られたり壊されたりを絶えず繰り返していて、そのつど材料であるミネラルを使うので、その特徴を利用した検査です。
様々な種類の「がん」からの「骨に対する転移」を疑うときに行われます。
骨に転移すると?
骨に転移した場合には、どうなるのでしょう?
がん細胞が、骨を造る造骨細胞もしくは骨を壊す破骨細胞に働きかけます。
造骨細胞が活発な転移部分では、ミネラルに近い成分のお薬がたくさん集まり、破骨細胞が活発な転移部分では逆に、お薬が全く集まりません。
わずかですが、正常な骨にもお薬が集まる性質があるため、この度合いを画像で見て転移かどうかを判断するようです。
骨の炎症や骨折などでもお薬が集まります。
ですので、他の検査や状況に応じてがん細胞の転移かどうかは最終的にドクターが判断します。
骨の転移だけに限定すると、
(PET-CTよりも詳しくわかるかもしれない?)
と思いました。
検査の流れです。
- お薬を静脈注射で身体の中に入れて、ある程度時間が経ってから検査になります。
- 検査時間まで間が空くので、病院から外に出ても大丈夫の所もあります。(もちろん、看護師さんに一言許可をもらって出ていきます。指定された時間の少し前までに戻ることも大切です。)
- 検査自体は、台の上に横になってじっとしているだけです。
私がこの検査を受けたときには、病院を抜けて平日にしかできない用事をかたづけていました。(病院によって外出できない場合もありますので、事前に確認したほうがいいと思います。
ですので、この検査もお薬を入れる注射がチクッと痛かっただけで楽なほうでした。
この検査で特に印象に残ったこと。
それは、
「キャンセルしないでください。」
という病院の方のお言葉です。
この検査に使うお薬は取り寄せるタイプのものらしく、一度取り寄せたら有効時間が短くおまけに高いお薬ということもあり、キャンセルが効かないこともあるようです。
お会計もPET-CTほどではないにしろ高かったです。
■脳MRI
MRIは撮影する場所によって色々あると思います。
この検査は脳の撮影です。
脳への転移が気になる
検査の内容を書いていて思いました。
(この3年半で一生分の検査経験をしたんじゃないかな?)
自分が「乳がん」とわかったばかりの最初の頃の検査と違って、一通りの治療が済んだ後の検査はほとんど「転移」を疑うものです。
この検査はどうして受けたかといいますと、「脳への転移」を疑ったからです。
最初は日常生活の「物忘れ」から始まりました。
(あれ?これは、さっき言われたばかりなのに、いつの間にか忘れていた。)
という事が2~3回重なり、それが家だけでなく職場でも何度かあったのです。
家の中だけなら笑い話で済みますが、職場、ましてや医療現場で
「忘れていました。」
なんてあってはいけないことです。
これではいけないという漠然とした危機感もあり、目まいも幾度かあったため主治医に相談することにしました。
自分でもかなり気になっていましたが、職場のドクターにもすすめられての受診でした。
乳がんでかかっている病院はそれ程大きい所ではないのですが、バスでの移動式のMRI検査が時々来るようで、その時に検査してもらえるように予約しました。
検査の流れです。
- 病院の中で検査着に着替えます。
- ナースさんに連れられ、MRIのバスがとまっている駐車場に歩いて行ってバスに乗り込みます。
- 扉を開けて入ったすぐのところで、当時着けていたウイッグをはずし奥に進むと、一人分の細長いベッドのような台がありそこに横になります。時間は20分ぐらいでした。
一度乳がんになってしまうと、少し気になる症状があると、すぐに「転移」を疑ってしまいます。
この感覚はこの先も続くであろうと思います。
患者さんの性格にもよるかもしれません。
私の場合は「進行乳がん」です。
いつ転移してもおかしくないという思いがいつも頭の片隅にあることで、人一倍心配性になっていたと思います。
結果は異状なしでした。
■マンモトーム生検
乳がんの確定検査のために行われることもあるようですが、私の場合は、手術から2年ほど経ったときに手術したのと同じ側に気になる症状が現れたため、行って頂きました。
胸の手術跡に固いしこり?
これは乳がん発覚から2年ほど経ってからだと思います。
手術してしこりをとってもらった胸の傷の部分が痛くて主治医に診てもらいました。
手術した側と反対の胸に再発することはあると聞いたことはありますが、手術でしこりを採ったのと同じ乳房にしこりとは考えにくいということでした。
しかし、私の主治医は慎重な方でした。
触診してもらったときに、傷の近くが痛いだけでなく、しこりのように触れたこともあって、
「マンモトームやりましょう」
ということになりました。
この検査は転移というより再発を疑ってのことだったのでしょうか?
「マンモトーム」は、私が乳がんかもしれないと思って初めて受診したときに受けた針を刺して行う「細胞診」と言われる検査の詳しいバージョンです。
細胞レベルよりも大きな組織レベルでの検査なので、針を刺して・・・・ぐらいでは済まないみたいです。
麻酔して少し大きな器具を刺し込んでと、私にとっては不安いっぱいで恐怖でした。
色々調べると、この検査は入院でなく外来受診で受けられるものだという情報もありましたので、軽く考えていました。
しかし私の場合は少し大がかりでした。
検査の後出血が止まりにくいと予想されたのか、この病院の方針なのか、入院しての検査になりました。
検査を終えて一晩出血の状況を確認して大丈夫なら退院という流れでした。
乳がんになってからは2度目の入院になりました。
夕方入院準備をして病院を受診、検査は病院についてすぐに行われました。
検査のお部屋には、ドクターと技師さん(いつもエコーをみてくれる)2人と、ナースさんが2人ほどいらっしゃいました。
こんな大勢の人に囲まれて、検査というよりはまるで手術です。
内容も手術そのものでした。
検査の流れです。
- 胸に麻酔の注射をします。(これが結構痛いです。)
- その後エコーでしばらくしこりの周辺を見て、そこに何度か器具を差し込み中の細胞を採るのです。
麻酔は効いていますが、刺されるブスッとした感覚と中をグリグリされる感覚は気持ち悪くて、
(これだけで気分悪くなる患者さんもいるだろうな)
と思いました。
私の場合は、針を刺しながら主治医が話しかけてくださいましたので、少しは気が紛れました。
「乳がん」かも?と思って受診したときに行われるマンモトーム検査は、2~3か所の採取で済むと聞いたこたがありますが、その時の私の検査では9回刺された記憶があります。
たくさん採取することで出血の心配もあったのかもしれません。
検査が全て終わると、傷口をガーゼなどでふさいで圧迫止血します。
これが結構ぎゅうぎゅう押されて痛いというより、息苦しかったです。
その後痛み止めがを処方されて終了です。
その日はちょっとだけ主人が顔を出してくれました。
私「来てくれてありがとね。」
主人「なんかいる物ある?」
私「う~ん、特にない。」
主人「それじゃ帰るわ」
私「気をつけてね」
主人「おー!」
こんな感じです。
乳がんのしこりをとってもらった手術の時と比べると、まったりしています。
あまり緊張感もありませんでした。
翌日出血の状況を確認して、主治医の了解のもと帰宅しました。
結果は後日聞きましたが異常なしでした。
でも貴重な体験ができてよかったです。
この検査のせいで、また一回り右の胸が小さくなりました。ドクターからも
「せっかく、温存術できれいに残したのに残念だね。」
と言われました。
ドクターそれって、一段と胸がなくなったってことでしょうか???
乳がんにおける私が受けた検査はこのような感じです。
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