色々試してみたけど、つらいまま・・・。
そんな肩こりに悩んでいませんか?
それはもしかしたら「肩こり」ではなく、「首こり」かもしれません。
肩や首の痛みという点では何が違うのかわかりません。
でも、この2つには原因も治し方も違いがあるんです。
今回は、肩こりと首こりの違いについてお話ししたいと思います。
目次
■そもそも首こりって?
肩こりならよく聞くけど、「首こり」なんてあまり聞かないですよね。
どんなものかお話ししたいと思います。
「肩こり」と「首こり」の違い
肩こりは肩周辺の筋肉の緊張で起こるものです。
それに対して、首こりは、首の姿勢が悪いために、首の神経や血管が圧迫されてこりとして感じるものです。
この2つのこりに共通している症状があります。
それは、「肩こり」です。
しかし、肩こりと首こりのどちらも関係しているこりもありますので、自分のこりがどのタイプのこりなのかを見極めるためには、こり以外の症状に着目します。
首こりの特徴としては、神経症状(頭痛やめまい)などが一緒に出てくることです。
ひどい首こりの場合には、「自律神経失調症」になることもあるのです。
「首こり」になる日常生活の動作
肩こりと姿勢の関係について書いた記事の中で一度触れましたが、頭の重さは5~6kgあり、スイカの大玉1個分の重さがあると言われます。
頭を支える肩や首の負担については、こちらの記事を参考にしてくだいね。
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「うつむき姿勢」や、「猫背」などのように頭が身体の重心から前にずれている場合とでは、首にかかる負担は3倍にもなります。
私たちの生活の中には「首こり」になる原因があちこちにあります。
首こりになる原因とは?
- 女性の首は細くて筋肉が弱い
- なで肩
- 長時間のパソコン作業
- 携帯電話やゲームの操作(スマホ巻き肩)
※スマホ巻き肩の記事はこちらをどうぞ
肩こりの原因に日頃のスマホが影響、「スマホ巻き肩」ってどんなもの?原因と対策は?
これは、現代ならではの原因が多いですが、これ以外でも、
- 長時間、ひとつの作業にのめりこむ環境
- 緊張の多い作業や人前での作業
- 首を冷やす習慣
- 睡眠不足の生活習慣
でも、首こりは起こりやすくなります。
心当たりはありませんか?
今あげた原因に心当たりがあって、「肩こり」を自覚している場合には、「首こり」の可能性も疑ったほうがいいかもしれません。
気になる「首こり」の症状
「首こり」は「頚筋症候群」とも言われているようです。
首が原因で身体の不調を訴える人が多い中、そのことに自覚がない人も多いようです。
では、具体的にどのような症状があるのでしょう?
頭痛
デスクワークや長時間のパソコン作業をしている人に目立ちます。
- なんとなく頭が重い。頭に重石をのせらているような気がする。頭に膜が張ったようにぼーっとした感じがある。
- ぎゅーっと頭の周りを締め付けられるような痛みがある。
- 後頭部から首筋にかけての突っ張った痛みがある。
- 顔や額に重い感じや痛みがある。
このような症状が続くようなら、それは「首こり」が原因かもしれません。
頭痛で悩んで医療機関を受診する時に、首のせいだと診断されることは少なく、その時だけの痛み止めを処方されて終わりということも少なくありません。
首こりをきちんと治すことで、長年の頭痛から解放されることが多いのです。
しかし、中にはくも膜下出血や脳卒中などで起こる頭痛もありますので、おかしいと感じたら病院を受診してくださいね。
首の痛みや肩こり
「首こり」も「肩こり」も肩のこりと痛みを感じることが多いようです。
普段、「肩こり」だと思っているものも、もしかしたら、「首こり」かもしれません。
首こりは放っておくと神経に関わる重大な病気を引き起こしてしまいます。
特に、首の上半分は重要な神経がたくさんあるのです。
肩こりである場合も、一度は首こりの可能性がないかを疑ってみる必要もあります。
めまい
めまいの症状には次のような物があります。
- 天井がぐるぐると回っているような感じがある。
- 雲の上を歩いているようなフワフワした感じがある。
- 歩いたり、立っているときに不安定な感じがある。
- 横になっているとき、地中に引きずり込まれるような感じがある。
- いつも船に乗っているようなフラフラした感じがある。
めまいが起こるとたいていの人は耳鼻科を受診すると思います。
その時に首のこりが原因だという診断はなかなかつかないことが多いです。
原因がわからないか、「メニエール病」という内耳の病気だと診断されてしまうこともあるかもしれません。
お薬をもらって、長年の飲み続けても治らないめまいは、「首こり」が本当の原因かもしれません。
自律神経失調症
これは、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスがくずれることで、様々な不調が現れるというものです。
「病名がつかない程度の、不調のオンパレード」
と言っていいほどの、ありとあらゆる症状が出てきます。
- 運動もしていないのに動悸が出てくる
- 汗がとまらないほどたくさん出てくる
- 便秘や下痢をくりかえす
- 口の中が渇いてツバが出ない
- よく眠れない
一つ一つの症状は、病気というほどのものでないので、これくらいなら病院に行くほどではないかも・・・。
と思いがちですが、これらの症状が一気に重なって出てくると、つらいものです。
それでも放っておくと、
- 何もする気が起こらない
- 気分が落ち込む
- わけもなくイライラする
という心の問題に発展して、「うつ」症状を引き起こしてしまうことになります。
自分でもわけのわからない症状が続いて、気持ちがつらくなるようなら、「首こり」の可能性も考えてみてくださいね。
風邪ひきやすい
これも、自律神経の体温調節の働きの低下が関係しているかもしれません。
季節の変わり目に風邪をひきやすいとか、冷暖房がとても苦手だという自覚がある時は、「首こり」のせいかもしれません。
パニック障害
いきなり感じる心臓のドキドキする感じや息苦しさによって、冷や汗が出て、死ぬかもしれないというような発作が出ます。
またその不安体験がもとになって、電車に乗れなくなってしまうなど日常生活に支障をきたすほどのやっかいな病気です。
これも、自律神経の不調による発作なのです。
ですので、首こりが治って、自律神経が整うと、心臓のドキドキも出てきませんので、「パニック障害」も改善するのです。
不安定な血圧
血圧も自律神経がコントロールしています。
一日のうちに大幅な血圧の上り下がりがあるような場合は気をつけたほうがいいです。
目の異常・ドライアイ
通常は、目の酷使によって、目が乾いたり、肩こりなどが起こると思われています。
しかし、首こりがあることで、目の瞳孔の働きがうまくいかない状態を作り出してしまうこともあるのです。
目が乾いて涙の量が減ったり、かすんだり、疲れたり、まぶしくて目が開けられない症状を引き起こします。
微熱が続く
風邪でもないのに、37℃台の微熱が続くことがあります。
風邪かと思って、病院を受診したのに、何の異常もないと言われて不安になることもあると思います。
身体が熱っぽかったりして、微熱が続いても、何の病気でもなく、なかなか治らない時は「首こり」を疑ってみたほうがいいかもしれませんね。
すぐ横になりたがる
仕事中に立っているのも座っているのもつらく、
「一刻も早く家に帰って横になりたい」
と思う状態は「首こり」の症状が進んだせいかもしれません。
首の筋肉に疲れがたまってしまって、重い頭を支えられなくなって、身体中が悲鳴をあげている状態なのです。
慢性疲労症候群
全身に強い疲労感を覚える病気です。
朝起きたときに、身体を起こせないくらいつらく、会社にもいけないほどの状態が半年以上続くこともあります。
原因がわからないため、精神科の症状だと思われたり、ひどい時には「さぼり病」などと言われることもある程です。
この患者さんが、「首こり」を治すことで、95%もの人が完治したそうです。
天気に左右される不調
明日から天気が崩れるという時に決まって体調が悪くなることはありませんか?
これは、「首こり」のせいだと言われています。
メカニズムはよくわかっていないのですが、首こりを治すと天気によって出てくる不調がなくなるようです。
逆に、体調の不調を感じて明日から雨かもという予報が当たっているうちはまだ、首こりが治っていないということです。
冷え性
冷え性のタイプは様々ありますが、
手足は冷たいのに、頭や顔はほてったように熱い
という症状の場合は、「首こり」が原因かもしれません。
うつ
最近急増している「うつ」ですが、次の症状があげられます。
- 何もする気が起こらない。意欲がわかない。
- 気分が落ち込む。気が滅入る。
- 集中力が低下して、勉強や仕事を続けられない。
- わけもなく不安になる。悪い方へ悪い方へと考えてしまう。
- 理由もなくイライラする。
- 決断力が低下して、簡単なことも自分で決められない。
- 人に迷惑をかけていて、何の役にも立っていないような気がする。
- 夜、眠れない。眠っていても途中で起きてしまう。
何かあてはまるものはありませんか?
「うつ」という症状は、もはや誰にとっても身近な問題になっています。
これらの項目にいくつか当てはまるからといって、「うつ病」だというわけではありません。
「うつ」には、「うつ病」と、「うつ状態」があります。
そして、問題になるのは、後者の「うつ状態」のほうです。
「うつ病」は、精神疾患の一つで、専門医の治療を受けるべきものですが、
「うつ状態」は、「首こり」を治せば改善することが多いのです。
「うつ」の症状に悩まされる人は、
(こんなつらい症状が一生続くのなら死んだ方がまし)
と考えることもあるそうです。
これは、周りの人にはなかなか理解しがたい症状ですが、当人にとっては、言葉にできないくらいつらいものなのですね。
自分で「首こり」を治せるもの?
普段の生活の中で、自分でできることがあります。
1、パソコン作業の改善
パソコン作業を長時間続けていると、頭が前かがみになり、「首こり」を起こしやすくなります。
できるならば、作業をやめる。
それが無理ならば、少し休憩を入れる。
ノートパソコンではなくデスクトップにする。(デスクトップの方が前かがみにならないので。)
2、前傾姿勢を続けない
- パソコン作業
- 携帯メールやゲームに没頭する
- 机に座って読書、勉強を続ける
- 編み物や手芸に夢中になる
このような時の姿勢が前かがみになっていませんか?
3、15分に1度、30秒ほどの休憩をとる
筋肉は、こまめに休ませてあげれば、こりを招かずにすみます。
首の筋肉を効率よく休憩させてあげることで、疲れ知らずになります。
15分ごとに、1回15秒ほど、首の筋肉をゆっくり伸ばしてあげるだけでもずいぶん休まり、「首こり」予防になります。
4、ストレッチを行う
首のストレッチを行うことで、一方方向に力の負担がかかった筋肉の緊張を緩めて上げて、こりがひどくならないようにしてあげます。
- 両手をお参りするときのように合わせます。
- その合わせた手の指先であごをぐいと持ち上げる。(顔は天井を見るように)
- 気持ちいい所で30秒ほど静止して、また元のように顔を戻す。
5、ホットタオルで首を温める
- タオルを水にぬらして軽く絞る。
- サランラップで包んでレンジで1分チンする。
- 乾いた布やタオルでくるんで、首に巻く
首はいつも冷やさないようにすることが大切です。
6、外出するときには、スカーフやマフラーを巻く
これも、首を冷やさないためです。
7、荷物やバッグを片側の肩で持たない
筋肉の使い方に偏りが出ると、こりの原因になります。
荷物を入れるバッグはリュックのように両方の肩に均等に重さがかかるものがいいのですが、どうしても片方の肩だけに負担がかかるものならば、左右、持ち替えるなどして、右と左のバランスを保ちましょう。
座るときの足の組み方も同じです。
片方の足ばかり同じ方向で組んでいると、身体もゆがみますし、こりの原因になります。
足は組まないのがベストですが、組むならば、左右交互に組むようにしましょう。
立つときに、片足に重心をかける癖がある人も注意が必要です。
8、お風呂は全身浴で
色々な健康法で、半身浴がすすめられますが、「首こり」に関して言えば、首までしっかりお湯につかる「全身浴」がおすすめです。
首の筋肉もしっかり温めてあげましょう。
9、洗った髪はしっかり乾かす
お風呂あがりに濡れた髪のままでいることが多いなら、それはNGです。
しっかり、髪は乾かして、そのついでにドライヤーで首筋も一緒に温めてあげましょう。
10、ダイエットやウォーキングについて
食事制限を中心とした無謀なダイエットは、筋肉を作るタンパク質不足を起こしやすくなりますのでよくありません。
ウォーキングを取り入れようとする場合ですが、歩くときの目線を5㎝上げて、目線を少し上に向けましょう。
11、睡眠はしっかりととる
日中は重い頭を支えて生活しています。
睡眠もそうですが、横になって、重い頭から首や肩の筋肉を解放してあげることも大切です。
しっかり睡眠をとらないと、疲れがとれず、身体の筋肉から疲労がとれません。
1時間横になって、本を読んで、7時間寝るのでも構いません。
物理的に横になって、首を休ませてあげる時間をたっぷりとってほしいと思います。
身体のあちこちの不調が治る
肩こりと首こりは似ていてもまったく違うものです。
肩こり改善のために色々な方法を試してもよくならない場合は、「首こり」かもしれません。
肩こりについては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
👇
誰もが悩む肩こり。原因は血行不良?筋肉疲労?それに伴った解消法について
病院に行くほどではないけど、色々な不調がある。
病院に行っても診断名がつかないから、一時しのぎのお薬をもらって我慢するしかない。
もし、その日々が「首こり」を治すことで完全によくなるとしたら、嬉しいですよね。
生活を前向きに明るく過ごせるようになるでしょう。
最初は小さな違和感でも、放っておくと、症状はいくつも重なり、膨れ上がり、身体だけでなく、心も痛い思いをしてしまいます。
少しでも笑って過ごせるようになれるといいなと思います。
痛みのない、健康な毎日のために、この記事がお役に立てれば幸いです。
不安や聞きたい事など何でもかまいません。コメント・メッセージください。