前回、抗がん剤治療のAC療法中に襲われた不安について書きました。
今回は、私が受けたもう一つの抗がん剤(タキサン系のお薬)アブラキサン点滴中の日常生活で襲われた不安についても書きたいと思います。
このお薬は、強い吐き気という副作用はなかったものの、手足が長期に渡ってしびれて、日常生活に支障をきたしました。
AC療法に負けず劣らず、強いお薬です。
目次
■タキサン系抗がん剤治療中の私
アブラキサンという抗がん剤で治療中の私の生活状態と心の状態です。
不安だらけの副作用
タキサン系の抗がん剤治療を受けていたときの私は副作用のせいで、手足のしびれがひどく、足の節々の関節が痛み、まともに歩くことができませんでした。
「このまま歩けなくなってしまうかもしれない」
本気でそう思いました。
ホームセンターなどに買い物に行ったときなど、介護用品のコーナーに立ち寄って、家族に隠れてそっと車椅子の値段を見たりもしました。
歩けなくなったら、仕事も辞めなくてはならないし、自動車の運転もストップがかかるだろうし、何より日常生活ですら人の手を借りなくてはならなくなる。
頭の中は車椅子に乗った自分の姿でいっぱいでした。
それくらいがんの治療というものは大変なものなのだと改めて痛感しました。
治療を重ねるごとにひどくなっていった副作用
AC療法の時は、点滴治療の後1~2週間が吐き気の副作用のピークで、3週目に入る頃から普通に食事がとれました。
今までの苦しみはどこへ行ったのか?と思うくらい回復できていました。
そしてドクターから最初に言われた回数の点滴が終了すれば、脱毛以外の副作用もほぼ回復しました。
しかし、アブラキサン投与中の副作用である、
「手足のしびれ」
「関節の痛み」
は点滴の回数を重ねるごとにひどくなっていき、最後の投与が終了してからもしばらくは回復できず、このまま歩けなくなっていったらどうしようと不安になりました。
副作用の最初は手足がピリピリするくらい
アブラキサンの点滴の後、どんな副作用が待ち構えているのかわからないまま、どきどきしながら日常生活を送っていました。
最初違和感を感じたのは、手足の指の腹がピリピリする感覚でした。
長時間正座していて感覚がなくなっていた足に少しずつ感覚が戻ってくるときに感じるピリピリとした感覚に似ています。
職場である病院で患者さんの採血を行うときに使うアルコール綿のアルコールにピリッとした痛みのようなものを感じました。
日が経つにつれて、刺激のないただのお湯でも指先に痛みを感じるようになっていきました。
手の指もそうですが、足も指先に始まって、足の裏全体に広がり、最後にはかかとの部分まで拡がっていきました。
ピリピリしたしびれから、ズキズキとした痛みに変わり、当時の私は、一歩一歩、歩くたびに顔をしかめていたように思います。
膝の関節にも痛みが
膝の痛みが出てくるようになると、歩きづらいだけでなく、痛くて歩くことが苦痛になりました。
階段なんて、上るより降りる時の方が体重がかかりますので大変でした。
朝の起床時は身体のあちこちがこわばっているような感じで、起き上がるときも最初に立ちあがるときも
「あいたたっ」
と声が出てしまうほどでした。
私は2階の寝室で休んでいましたので、毎朝起きたらまず階段を降りなくてはならなかったのですが、一番上の段に座り込み座ったままお尻で一段づつ降りて行きました。
家の中を歩く時も壁伝いで足をひきずるような動作でした。
不安は消えなかった
最後の抗がん剤投与が終わっても改善しない手足のしびれと関節の痛みに不安はやわらぐどころか、ますます大きくなるばかりでした。
乳がんのしこりが消えたとしてもこれでは、そのうち歩けなくなってしまうかもしれないと恐怖すら感じました。
家族で外へ出かけても私の副作用のせいで、家族も大変だったことと思います。
少し歩いては止まって振り返って
「大丈夫?ゆっくりでいいから」
と声をかけてくれました。当たり前のように荷物も全て持ってもらいました。
まさに重病人でした。
それでも人の身体って凄いですね。
普通に動けるときがくるようになります。
最後の点滴が終わってから3カ月くらい経った頃には足をひきずらなくても歩けるようになりました。
今なら言えること
抗がん剤治療中には、
これが最良の治療法なのか?
何度も悩んで不安に押しつぶされそうになりました。
しかし今なら言えます。
治療を受けて乗り切れてよかったと。
乳がんになったときから、身体的、精神的、日常生活、仕事、人間関係など、すべての面において不安がつきまとうと思います。
その不安を一つ一つ取り除いていくことで乗り越えていくのが乳がん患者としての私の生き方なんだなと思います。
相変わらず、「乳がん」の転移への不安は抱えたままの現状です。
しかし、それも一つ一つ乗り越えていかなければならないと思います。
願わくば10年20年と転移せず、その内に新しい治療薬が発明承認されればいいなと思っています。
そのことは、私だけでなく、あなたや、多くの乳がん患者さんの不安、ストレスを無くして行ってくれると思います。
その日が来ることを願って。
一緒に乗り切りましょうね。
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