菜の花

私の乳がんのタイプは「トリプルネガティブ」というものでした。

乳がんのタイプにはホルモン受容体が陽性のタイプと、HER2陽性のタイプと、どちらも陰性のタイプなどがあります。

私の「トリプルネガティブ」の乳がんはどちらも陰性のタイプになります。

今回はHER2陽性のタイプの乳がんについて書いてみようと思います。

 

 

 

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■以前は悪性と言われたタイプ

HER2は「ヒト上皮細胞増殖因子2型」というがん遺伝子で、細胞の増殖に関わっています。

エストロゲンが細胞表面にあるホルモン受容体に結合してホルモンとして作用するように、HER2受容体に作用物質が結合すると細胞に増殖命令が出ます。

正常細胞にもHWE2受容体はあるのですが、乳がん細胞の中にはHER2受容体が異常にたくさん出ている(過剰発現)ものがあります。

こういうタイプのがんはホルモン療法が効かないタイプの乳がんに多く、過剰な増殖命令が出てどんどん増殖するので、がんとしての悪性度が高い、たちの悪い乳がんと言われていました。

分子標的治療薬

抗がん剤は、その毒性でがん細胞も正常細胞も無差別に攻撃します。

それに対し、がん細胞の生物学的特性に的を絞って攻撃するのが「分子標的治療薬」です。

分子レベルでがんの研究が進んだ結果、がん細胞ががん細胞であるためにはいろいろなメカニズムが必要であることがわかってきました。

栄養を取り込むために、にわかづくりの血管を引き込んだり、どんどん細胞が分裂増殖したりします。

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HER2陽性のがん細胞のメカニズムを利用して、がん細胞だけを狙い撃ちするのが「分子標的治療薬」です。正常細胞にはこうした特性はないので攻撃目標にはなりません。 抗がん剤の場合はがん細胞だけではなく、正常細胞も攻撃してしまいます。

分子標的治療薬にはこれまでの抗がん剤のような副作用はあまり認められません。

ただし別の副作用が出ることはあります。

分子標的治療薬は、がんの薬物療法に新たな選択肢を設け、治療法を大きく前進させました。

現在、がんのメカニズムが解明されると共にさまざまな分子標的治療薬が開発され治療に使われています。

中でも、もっとも成功した分子標的治療薬の一つが乳がんに使われる「トラスツズマブ」(商品名ハーセプチン)です。

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HER2強陽性が適応

以前は悪性度が高いたちの悪い乳がんといわれていたのに、「トラスツズマブ」が開発されて状況は一変しました。

トラスツズマブはHER2受容体に取り付き、HER2受容体に作用物質が結合するのをブロックするので細胞に増殖命令が出なくなるのだそうです。

トラスツズマブが結合することで、免疫細胞もがん細胞を認識しやすくなり攻撃を始めます。

こうしてがん細胞は生き残ることができなくなります。

トラスツズマブの適応になるのはHER2タンパクがたくさん発現している「強陽性」の人です。

 

 

 

分子標的治療薬の効果

HER2受容体が強陽性で分子標的治療薬「トラスツズマブ」の治療対象になる人は乳がんの患者さんの20%ぐらいと言われています。

トラスツズマブが日本で治療に使われるようになったのは2001年です。

当時健康保険でトラスツズマブの使用が認められていたのは、再発・転移した乳がんに限られていました。

しかし2005年には手術後の再発予防にも大きな効果があるというデーターが発表され、現在は手術後の再発予防(術後補助療法)にも使われています。

特に抗がん剤と組み合わせて使うと効果が高いことがわかり、タキサン系の抗がん剤と併用したり、アンスラサイクリン系の薬で治療した後に投与する形で治療に使われています。

トラスツズマブの副作用

トラスツズマブには、脱毛や悪心、嘔吐、白血球の減少などこれまでの抗がん剤に見られたような副作用はほとんどありません。

しかし、投与後24時間以内に、多くの患者さんに「発熱」と「悪寒」が見られます。

最初は40%ぐらいの患者さんに起こりますが、2回目以降は5%以下と少なくなります。

重い副作用として注意が必要なのは心臓への影響です。

トラスツズマブは心臓機能の低下を起こすことがあります。

そのため同じように心臓に影響があるアンスラサイクリン系の抗がん剤とは同時に使用しないほうがよいと考えられています。

また治療中は定期的に心臓の検査をすることが必要です。

トラスツズマブが登場したお陰でかつては増殖が早くホルモン療法も効かないむずかしいがんと言われていたHER2陽性乳がんは、むしろ「コントロールしやすいがん」というようなイメージに変わりました。

これは転移再発した場合でも同様です。

再発転移の場合は、ラバチニブというチロシンキナーゼ阻害薬に属する分子標的治療薬も認可されておりさらに現在開発中の薬としてはネラチニブペルツズマブT-DMIなど目白押しです。

こうした進歩のおかげで、HER2陽性タイプ乳がんの治療においては大きな前進がみられているのが現状です。

そうなると、私のがんのタイプである「トリプルネガティブ」においては、今後の治療薬や治療法が早急に開発されることを強く願うばかりです。

乳がんにはタイプ別でも治療は分かれますが、人それぞれにおいても効き目が違うということです。

この世の中、どんな人にも効いてくれるお薬が早くできるといいですね。

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