エルケアル 

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音無美紀子!乳がんの中で見つけた家族の愛

      2016/09/05

乳がんになられた有名人といえば、女優の音無美紀子さんが思い浮かびます。

コマーシャルの「えがおの黒酢」は有名ですよね。本当に笑顔の素敵な女優さんです。ご主人は俳優の村井国夫さんです。




■私が乳がんになってから買った本

私は自分が乳がんになった当初、乳がん関連の本を何冊か買いました。

夫婦2人での執筆に興味が湧いて

本の書き方が夫婦お二人の視点からかかれていて、時間の流れもわかりやすかったのと、乳がんになられた音無さんと、ご主人である村井さんの考え方をどちらも読めるということで、購入しました。

「妻の乳房~「乳がん」と歩いた二人の十六年~」

という夫婦お二人による著書です。

妻の乳房

この本のなかには、音無さんの乳がん発見から治療に踏み出すまでの決意や当時の家族への思いが綴られています。

今でこそ笑顔の似合う女優さんという形容がふさわしい音無さんですが、今の笑顔を手に入れるまでに、「乳がん」や「うつ」と闘ってこられたことを記されていて、私も感動をいただきました。

話の展開が一風変わっていて、妻である音無さん側の思いと、夫である村井さん側の思いが交互に書かれています。その時々のお二人とお子様とのやりとりもあります。

乳がんという病気が夫や子供に与える影響、手術に踏み切るときの心の葛藤、乳がんの治療を受けるうえで音無さんが何に対して悩むのかもこの本の中で挙げられています。

音無さんを取り巻く家族のすばらしさ

夫や子供のいた私には、心に染みてくるものがありました。

音無さんは、女優でありながら乳房切除という試練に立ち向かうことになりました。その決断をくだすことができたのは、夫、村井さんの言葉によるものが大きかったとおっしゃっています。

「ぼくは、きみが女優であり女性であることが大事だとは思わない。それよりも人間として、子供たちの母親であり、ぼくにとっては、いとおしい妻としてのきみが、何よりも大切なんだ」

(妻の乳房より引用)

すてきなご主人さまですよね。家族なら、夫なら、言えて当然の言葉だと思いますか?

私はそうは思いません。この言葉を心から言えるまでには、ご主人様側にもかなりの葛藤と、決意があったのではないでしょうか?

ましてや、乳がんになった女性は、自分や自分の病気に対する言葉に必要以上に敏感になると思います。

うわべだけの言葉では、心に響かないのではないかと………………

実は私にも心当たりがあります。

自分が乳がんになった時、家族の一つ一つの言葉に過剰に反応していました。当時はなかなか素直な気持ちで周りの励ましの言葉に耳を傾けることができませんでした。卑屈になっていたかもしれません。

だからこそわかるのですが、村井さんの心からの言葉が、乳がん患者である音無さんを、一歩未来へと踏み出させたと思うのです。

音無さんには、夫だけでなく二人のお子様もいました。

当時、元気のなかった音無さんに、6才だった娘さんが言った言葉

「ママ大丈夫、おっぱいはまた生えてくるから」

子供ってなんて素晴らしいことを言うんでしょう?!

この時音無さんは、女優の仕事に行き詰まりを感じていて、それで気分が落ち込んでいたそうです。

娘さんはお母さんが元気がないのは、おっぱいが一つ無くなったせいだと思ったんでしょうね。6才の子供さんは自分なりに精一杯、大好きなお母さんを励まそうとしたのです

乳がんに限らず、闘病されていらっしゃる方には、薬も手術も様々な治療も大切です。でも、周囲の励ましや、言葉かけはそれ以上に効く特効薬かもしれません。

 

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励ましの言葉が時にはつらいことも

だからと言ってどんな言葉でも励ましになるのかというとそうでもないのです。

音無さんはある対談の中で、次のようにおっしゃっています。

「乳がん患者にとって、(他の病気でもそうだとは思いますが)「頑張れ」という叱咤激励の言葉は辛く響くだけ。また温泉に行こう、お食事にと誘って頂く励ましや慰めも、甘ったれを言うようですが、重荷になってしまいます。

何故なら、患者本人の心は、頑張るとかしっかりするというような領域を超えたところにあり、励まし、慰め、同情を素直に受け入れられるような心の状態にもないのです。病の主は、そういうものが強ければ強いほど、かえって落ち込んでいくのです。」

音無さんの夫の村井さんは、乳がんに罹った妻に対し、「頑張れ」とはおっしゃらなかったそうです。

乳がん患者が抱えるものは、身体をむしばむ癌という病気だけでなく、心に巣食う闇もあるということですね。

能天気で明るいと言われた私ですら、死とこれから起こる恐怖に心の闇に何度も落ち込みそうになりました。

乳がんは人それぞれ違う

「乳がん」と一言で言っても、当時者の年齢、家庭環境、配偶者や子供の有無によって置かれる立場は様々です。

病状についても然り。しこりの大きさや、乳房内での拡がり具合、リンパ節への転移状況、他臓器への転移の有無によって、分けられるため、ステージ0期、Ⅰ期(早期乳がん)の人もいれば、ステージⅡ期、Ⅲ期、Ⅳ期の人もいます。

私の場合は、しこりの大きさは2㎝以下と小さかったものの、腋窩リンパ節と胸骨傍リンパ節への転移があったために最初に受けた早期乳がんという診断が一転してステージⅢの進行乳がんへと変わってしまったのです。

そんな私の支えになったのもやはり家族でしたよ!

心も健康でなくなる

音無さんは乳がんになったときに「うつ」にも悩まされていらっしゃったそうです。

「乳がんの手術とうつ病を比べて、どちらがつらかったかとたずねられたら、わたしはうつ病と答える。」

本の中でもそう話されています。

家族の団らんにも入れず、そのことで(自分はダメな人間なんだ)と自信を失い、友人の誘いや励ましも他人事のように思える。

病状は音無さんの自覚がないままに進んでいき、とうとう

(死にたい。)

とまで思うほどに。

それでも、子供さんを通して小学校の行事などに少しずつ参加するようになっていったそうです。その音無さんの閉ざされた心を開き、元気な頃の音無さんに立ち直るきっかけとなったのもやはり娘さんの一言でした。

 「ママ、どうして笑わないの?」

この後、音無さんは鏡の前で笑う練習をされたそうです。そして、徐々に明るさを取り戻し、子供のお母さんとして、村井さんの奥様として、そしてすてきな女優さんとして復帰されました。

現在、音無さんは乳がんの早期発見の大切さを呼び掛けると共に、ピンクリボン運動にも携わっておられます。その生き方は同じ乳がん患者の生きる支えとなっていると思います。

あなたにもできること

少なくとも私は乳がんという病気から一歩前へ進む勇気をもらいました。

乳がんは今や日本では12~13人に一人が罹るといわれるほど身近な病気になってきています。皆さんもまずは、検診など出来ることから始めてみませんか?

もし、あなたが今現在「乳がん」になって不安な思いを抱えているならば、少しでもその思いが軽くなってほしいと願っています。

不安を全部取り除くというのはできないと思います。

でも、自分の思いを口にすることで気持ちの整理がついたり、不安が薄れるかもしれません。

私が体験していないことは何もアドバイスできないかもしれませんが、何か一つでもあなたのお役に立てればと思います。

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[記事公開日]2015/11/10
[最終更新日]2016/09/05

 - 乳がん