エルケアル 

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乳がん患者として見られるときの正直な気持ち

      2017/06/26

芝生の上の椅子

私は「乳がん」患者です。

ですので、私が自分の病気のことをカミングアウトした相手からは「乳がん」患者として見られるのは当然のことです。

ですが、わかっていても、

そういう目で見てほしくない。

普通に扱ってほしい。

という無茶な思いを抱くこともあります。

 

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■乳がん患者なのに乳がん患者として見られたくない私

自分は乳がん患者です。

(でも、そういう目で見られたくない)

そういう思いもありました。

職場の中で

乳がん」になって、手術して抗がん剤治療、放射線治療もしました。

その中でできるだけ仕事も続けたいと思いチャレンジしました。

私が乳がんという病気を抱えて、それでも社会の中で仕事を続けていくためにはたくさんの方の支えが必要でした。周囲の方の理解があればこその日常生活が成り立っていたのだと振り返って思います。

でも、しかし、だけれど、なんです。

嫌でした。

正直な気持ちを言いますと、乳がん患者として扱われることがとても嫌でした。

ぜいたくな話ですよね。

職場のドクターは私の乳がんが分かった時に、病院のスタッフを集めて私の病気のことを話しました。

  • 当番制のものをみんなで交替しあって、私の仕事の負担を減らしてあげるように。
  • 昼休みは午前の診療が終わり次第に入るのが決まりでしたが、私だけ時間きっかりには入るように。
  • ゴミ出しや重い物を持つことなど身体の負担になる仕事はしばらく免除。
  • 昼休みは空いている病室を使っていいのでゆっくりやすむこと

こんなによくしてもらえる職場は普通ないですよ。

私だって感謝の気持ちはありました。

ドクターの一言のおかげで、乳がんの治療を続けながらも仕事に携わらせてもらえたのだと思いますし、体力的にも無理なく頑張れたのだと思います。

しかし・・・なのです。

私はそれによって、職場で身の置き所のないような気持にもなりました。

私の仕事を先輩の方々が負担しなくてはならないのです。それを間近で目にしながら、いつも申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

もちろん、進んで笑顔で引き受けてくださる優しい先輩もいました。

しかし、私の前やドクターの前では当たり前じゃないの、という顔で仕事を変わってくださった方が一度かげで文句を言っているのを聞いてショックでした。

だからといって、それは私がどうこう言えることではないです。

だって、自分が反対の立場であったとしても少しの不満も出ないという保証はないからです。

同じ給料を頂いていながらそれに見合った仕事量をこなしていない人を普通に受け入れられる人ばかりではないのが当たり前だと思います。

それなら乳がんということを隠して仕事ができたかと言いますと、それは無理です。

抗がん剤治療は定期的に通院しなくてはなりませんし、副作用を抱えて職場で働く自信はありませんでした。

脱毛によるウィッグについても隠せるわけがないのです。

それでも自分の治療費を捻出するためには仕事を辞めてしまうことはできなかったのです。

私はがん保険にも入っていませんでした。

周囲の人に迷惑をかけたくないと思う一方で、迷惑を絶対にかけてしまうことがわかっているのに仕事を続けた矛盾だらけの私でした。

乳がん患者だと見てもらえたからこそ仕事を続けられていたのに、乳がん患者として見られたくない、扱われたくないというわがままな気持ちがありました。

 

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普段は笑い飛ばせることも

「乳がん」になってから、手術、治療などの患者としての体験を重ねるうちに気持ちも病人になってしまったのでしょうか。

ちょっとした事で落ち込んだり、人の冗談に勝手に傷ついたり、ショックを受けたりして精神的に弱くなっていったように思います。

職場の先輩たちが笑っている話題の中に入っていくことができず、疎外感を感じたり、なんでもないことで涙が出てきたり、自分の心の中に暗い闇のようなものが渦巻いているかのように感じられたときもありました。

それはちょっと辛かったですね。

今手術からは4年経とうとしていますが、当時の自分の暗い気持ちが嘘のように能天気な自分に戻りつつあります。

しかし、当時の苦しい気持ちというのは今でも決して忘れられないです。

当時を振り返ろうとすると、胸のあたりがモヤモヤしてどんよりとした曇りのような気持になってしまいます。

これは主治医の話では「軽いうつの状態」だったようです。

どんなに明るいと言われる人でも「病気」を抱えてしまうと、自分では大丈夫だと思っていてもすでに「軽いうつ」の状態になっているらしいです。

それは、環境や身体的な事や精神的な事の急激な変化になかなかついていけなくて精神的にも病んでしまう(病気になってしまう)みたいです。

大丈夫ですよ

人間ってすごいなと思いました。

程度の差はあると思いますが、皆回復していける力を持っています。

それにはあせらないこと、周囲に気持ちを出したり、ぶつけたり、聞いてもらったりするのもいいかもしれませんね。

職場で嫌な気持ちになったこともありますが、職場で励ましの言葉をもらって元気になったこともあります。

たぶん、その時の自分の精神状態によっても受け止め方は違ってくると思いますが、暗くて、辛い気持ちのときには人の言葉も辛く受け止めがちになるかもしれません。

それを無理に変えよう変えようとするよりも、いつか自然に変わるときがくると思いますので、苦しくなる前に誰かに話せるような環境があるといいですね。

私が乳がん患者でありながら、乳がん患者として見られたくないという気持ちになったのも、自分の中でまだ消化できていない気持ちが溜まっていたからかもしれません。

 

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[記事公開日]2016/02/08
[最終更新日]2017/06/26

 - 乳がん