抗がん剤の副作用である骨髄抑制には白血球減少が一番主な症状としてあげられます。
白血球減少が起こるとどうなるのでしょうか?
目次
■抗がん剤治療の副作用
抗がん剤治療の副作用に必ずと言っていいほどついてくる症状があります。
「骨髄抑制」です。
抗がん剤の強いお薬の作用のせいで、骨髄と呼ばれる血液を作ってくれる場所の働きが抑制されると様々な症状が出てきます。
骨髄抑制は、白血球・好中球減少による感染(発熱)、血小板減少による出血傾向、赤血球減少による貧血症状が出現した状態をいいます。 骨髄は体の中でとても大切な生産工場として働いています。 骨髄は赤血球、白血球、血小板が作られる場所で、成長の早い細胞がある部位のひとつです。
血液の白血球、赤血球、血小板が減少することで身体にダメージが出てくるのです。
今回は白血球の減少によって起こる症状について少し書いてみようと思います。
白血球減少
血液の中の白血球は細菌、真菌、ウイルスなどの病原菌と戦うことで私たちの身体を守ってくれます。
白血球が減るということは、病気として身体に入り込んだ敵と戦ってくれる味方の兵士の数が減るということです。
身体の抵抗力が落ちて病原菌が身体の中で増殖しやすくなり感染症の心配が出てきます。
感染しやすい部位と主な症状(引用)
部位 | 症状 |
口腔 | 口腔内の発赤・腫れ・痛み、歯の痛み |
上気道 | 鼻水、のどの腫れ、痛み |
肺・気管支 | 咳、痰(たん)、息苦しさ |
消化器 | 腹痛、下痢、吐き気 |
肛門 | 肛門周囲の発赤・腫れ・痛み |
尿路 | 尿のにごり、尿意の増加、排尿時痛、残尿感 |
皮膚 | 唇や皮膚の痛み、水疱 |
その他 | 38度以上の発熱、寒気、震え、頭痛、関節痛など |
■感染症に気をつけるには
感染症に気をつけるための知識を増やしましょう。
予防対策
- 殺菌作用のある洗剤やせっけんで手洗いを念入りにする
- 外出前後や食事の後にはこまめにうがいをする
- 外出時にはマスクをする
- 外出自体を避ける
- なるべく人混みの中に行かない
- 毎日清潔を保つために、入浴やシャワーを行う
- 衣服も清潔なものに着替える
- 食べ物は調理してすぐのものを食べるようにする
- 食べ物にはよく火を通す(生ものはできるだけ避ける)
白血球が減ったとき
「乳がん」になって、抗がん剤治療を始めると、抗がん剤の点滴の前に必ず血液検査を行います。
抗がん剤治療がスタートすると、私の白血球の数はどんどん減りました。点滴後2週間ぐらいのときが一番数値が低くなるようで、その後に少しは自然に回復していくようです。
最初の抗がん剤AC療法のときには、最初の3クールは大丈夫だったものの、最後の4クール目にはあまりに白血球の数値が低すぎて、白血球の中の好中球の数も少なくなりました。
副作用が強かったせいなのか、自分での回復では間に合わず、注射を打ってもらいました。
これで白血球の数が上がったのですが、この注射の痛いこと、痛いこと。
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私の日常生活
朝から晩までマスクの欠かせない生活になりました。
外に出るときはもちろんですが、家の中にいるときもマスクをしておくことを心がけました。
こう書くと、準備万端の生活のように思われますが、職場(医療の現場)では冬場ではなかったこともあって、マスクなしで仕事をしていて職場のドクターに、「マスクは?」と注意されたことも1回や2回ではないです。
手洗いやうがいも大切なのに、手洗いはともかく、うがいの方はうっかり忘れることが多く、外出先から帰ってきたときだけしかやらなかったりという、あまりほめられた患者ではなかったです。
仕事を続けていたので職場はもちろん、人の多い場所にもちょくちょく出かけていました。買い物も家族に任せながらも自分も行くことも多かったです。
感染症についての意識の低さ
今「乳がん」について勉強し直しています。
その中で、治療中にはあまり強く思わなかったことに対して今なら
(こうした方がよかった)
ということがたくさんあります。
感染症についてもそうです。
私は抗がん剤治療の最中は、治療のつらさや慌ただしさに紛れて深く思わなかったことですが、
白血球減少による感染症
はとても怖いものです。
私の場合は運よく、感染症にかからなかっただけの話で、もし感染症にかかったら入院して治療を行わなければいけないような大変なことになったかもせれません。
自分の認識の低さもさることながら、気持ちに余裕がなかったことも否定できません。
「乳がん」と言われて、手術がすんで、気持ちの整理もつかないまますぐに抗がん剤治療がスタートしました。次々に襲い掛かってくる副作用と戦いながら、白血球減少という
目に見えない副作用
はどうしても軽くみてしまいがちです。
精神的にもいっぱいいっぱいの私はその他の副作用に振り回されていました。
病院では細かい副作用のことまでは話してくれない
患者がだまっていても病院では、「こんな副作用があるんですよ」と1から10まで教えてくれるわけではありません。
教えてくれるのは、いくつかの代表的な副作用のことだけだと思います。
ですので、薬の副作用についても自分で調べて、
「これはどういう副作用ですか」
「どういうことに気をつければいいですか」
と質問してみてはどうでしょうか?
治療に対して患者側である私たちも積極的に知ろうとする姿勢も必要かと思います。
それによって、自分が思った治療に近付けると思います。
自分の身体のことです。
受け身ばかりは嫌ですよね。
勉強というほど大げさでなくていいと思います。少し頭に知識を入れておくだけでも役に立つと思います。
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