病気になると驚くほど採血の機会が増えます。
ましてや「乳がん」などで、抗がん剤治療を行うことになると、腕に針を刺すのも1回や2回では済みませんね。
何度も針を刺したり、強いお薬を血管から身体に入れることで、血管が痛くなるという状態が起こります。
この「血管痛」も立派な副作用の一つです。
今回は血管の痛みを感じた私の体験についてお話しします。
目次
■抗がん剤の副作用「血管痛」
採血や血管に薬を入れる静脈注射、点滴など、血管にダメージを与える治療が続くことで、副作用として血管の痛みが出てきます。
病気をすると針を刺す機会が増える
「乳がん」になってから、それまでと大きく違ってくることがたくさんあります。
数えきれないほどの検査や治療。それに伴って採血や点滴が増えますね。
- 血液検査の採血
- 画像検査の造影剤投与
- 抗がん剤の点滴
その度に腕の血管(静脈)に注射針を刺します。
それにより患者さんは痛みを感じます。
抗がん剤治療を受けなくても採血がありますので、注射針を刺す度に痛い思いをすることは避けられませんね。
針を刺されることが平気だという方は別ですが、この事は患者さんにとってかなりのストレスになるのではないでしょうか?
リンパ節をとると
手術でリンパ節を取ると、取った側の腕には負担をかけないようにと言われます。
それは、リンパ節を取った後の副作用に「リンパ浮腫」があるからです。
リンパ浮腫については別に書いております。
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基本的には採血や点滴などで針を刺したり、血圧測定などで締め付けたりといった行為もその一つです。
私は右乳房にがん細胞があり、右の腋窩リンパ節にも転移がありましたので、右手を使う治療は極力行わずにすむように病院で対応して頂きました。
事情により、自分が乳がんでかかっている病院以外を受診して採血などを行うことになったらナースさんに「右の乳がんをやってますので、左手でお願いします」と伝えるようにしています。
私の採血と点滴は???
採血はもとより、抗がん剤の点滴も左の腕で行われることになりました。
私の左手の血管は真っ直ぐで太い方なので、比較的注射針を刺しやすいかと思います。
それでも、AC療法で最低4回分、その途中で白血球の減少の有無を調べるための血液検査で3回、タキサン系抗がん剤も同様の回数の点滴と採血を受けました。
その結果左手の静脈の血管は固くなり、刺した針から血液が逆流しなくなり、ナースさん達もかなり苦労されていました。
一度は新人さんが針を刺して2回失敗し、ベテランナースさんが変わってくださったのですがそれでも入らず、もう一人のベテランさんが交代して針を刺したまま中の血管をぐりぐり・・・・(うっ、激痛です!)
その時に通りがかったのが私の主治医。
ナースさんが「せんせい、右手の血管を使ってはダメですか?」と問いかけるも「まだダメ」と一言。
主治医自身が代わって針を刺してくださいました。
さすがドクター、見事に入りましたがその時の痛かったこと痛かったこと、涙涙でしたよ。
抗がん剤を点滴にて行うにあたって
抗がん剤は点滴で行うタイプのものと、内服するタイプのものがあります。
点滴で行う抗がん剤は当たり前ですが血管に針を刺して行います。
抗がん剤の点滴を行うためには、まず通常の採血を行って、抗がん剤を投与できる体調かどうかを判断したうえで抗がん剤投与のGOサインが出ます。
採血だけならば少しくらい注射針がうまく入らず内出血したとしてもまた差しなおせばいいかもしれないのですが、抗がん剤はそういう訳にはいきません。
お薬が血管からもれる訳にはいかないのです。
ということで針を刺すのも慎重になりますし、針を刺してしっかり血液が逆流するのを確認してからでないと点滴も始められないのです。
抗がん剤と副作用による血管の変化
これは、私が抗がん剤治療をした際に起こった副作用の血管痛と血管の状態の変化です。
まず、血管自体がズキズキ痛みました。
抗がん剤はがん細胞を死滅させるくらいの強いお薬です。
薬でもあるけど、正常な細胞にとっては「毒」ともいえる薬が体の中に入っていくわけです。
スピードもゆっくりと点滴してくださいますし、AC療法などはまめに血圧を測りながら様子を観察して行われます。
ちょっとでも痛いとか熱いとかかゆいとか感想を言おうものならすぐに主治医に連絡がいき、とんで来てくださるのです。
お薬を通す血管もかなりの重圧や刺激に耐えているわけです。
ズキズキ痛むのもわかる気がします。
抗がん剤の副作用として凄いのは抗がん剤の点滴が終了した後も痛みが続いたということです。
何日も何日もズキズキしていました。
次に、血管の色です。
これは私だけかもしれませんが、血管の色が皮膚の上から見て紫色に変わってしまいました。
通常腕の血管は皮膚の上から見ると、あまり見えないか、見えたとしても緑色に見えると思うのですが、それが赤黒い紫色に変色してしまいました。
この状態は2年ほど続きました。
4年経った今見てみると完全に治っていますよ。
右手での採血も解禁
病院や主治医によっても時期は変わってくるとは思いますが、私の場合は手術後2年くらい経った頃主治医からOKが出て、今では右腕から採血したりすることもできます。
私は看護師として働いていたときに「乳がん」になってしまいました。
乳がんになって、リンパ節をとるまではお恥ずかしながらリンパ節をとった側の腕での採血などに注意が必要なことすらはっきりと理解できていませんでした。
ですので、自分の体験のおかげで「乳がん」になったあと、職場で患者さんの採血などをさせてもらうときに「既往歴」に乳がんとある方には「どちらの手でも採血は可能ですか?」と一言お尋ねするようになりました。
今は医療従事者ではありませんが、「乳がん」になったことは私の知識を増やしてくれました。
今後も自分の体験が生活の中で役立てられるといいなと思います。
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